「川原から遠くを眺める」
2010年01月04日
ぼーっと、土手から、少女は、川原の遠くを、眺めた。
学校であった嫌なこともこんなにちっぽけだ。と思えるから。
遠くを眺めると車の通りが少ない車道があり、さらに遠くを眺めると大きな山があった。
大きな山にはたくさん緑の木が生えていて。
さらによく見ると茶色い山道があった。
山は、空の雲に突き刺さって見えて。
この辺りでは、山は、一つだけだった。
少女は、遠くを眺めても、学校であった嫌なことを忘れることが出来なかったので、近くを見てみた。
山を見て一心不乱にエンピツを走らす人がいた。
何度も何度も首を捻って、消しゴムで、消しては書いて消しては書いてを繰り返している。
少女は、遠くの山と、近くの山を見比べてみた。
ああ、遠いようで近い。小さな山だ。
少女は思った。
学校であった嫌な出来事はきっと、たいしたことではないのだと。
顔を両手で、一回、二回、パンパンと叩き、少女は立ち上がった。

さあ、家に帰ろう。

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