「つながっていたい」
2009年11月06日
コンクリートでできた地面、壁。
その中にいる巨大なタコは、ひとりぼっちだった。
うにょうにょと足は動く。
空を見た。
真っ白な鳥がいた。
かまってほしくて。口を上に突き出した。
墨が飛び出した。
真っ白な鳥は、真っ黒な鳥になった。
凄いスピードで、鳥はいなくなった。

下をみた。
アリンコ。
にゅっと足を突き出した。
アリンコは、くぐり抜けて、進んで去って行った。

ワンワンワン
犬が吠えてきた。
タコは足を伸ばして捕まえた。
犬が暴れても、タコの足は丈夫なので、なんの効果もなかった。
なによりあの吸盤が吸い付いてはなれない。

ひとり、友達ができた。と、タコは思った。

この調子で、ウサギや、猫、カラスなどを捕まえた。

夜。足に塩水が落ちる感触。
そして、ぽとっと、ウサギから暖かさが消えた。

猫は鋭い爪を立てて、タコの足を簡単にすり抜け、去って行った。

犬は、ずっとしがみついたままだった。

タコは、ウサギをそっとおろした。
コンクリートの地面なので、穴を掘るわけにもいかなかった。

犬は、ワンワンワンワン
元気よく吠えた。

「いたぞ。」
沢山の人間たちがやってきた。
鉄砲やナイフ、刀たくさん怖い武器を持っている。
でも、たこは、怖いと思わなかった。
友達がたくさん来たと思った。

にゅっと足を伸ばしてみんな捕まえた。

一人がしめたと思いナイフをだして足を切り落とした。
新しい足がにゅっと再生。
「ひいい」
すごいスピードで、逃げて行った。

何人かは狙撃準備
でも、タコの皮膚は丈夫なので、弾は貫通しないで、跳ね返した。
「ギャー」
タコからみんな逃げて行った。

みんな、ぼくから逃げて行く。
友達になりたいだけなのに。
ワンワン
犬は吠えた。

きみも逃げたいんだよね。
タコはそっと足をのばした。

犬は、足をのぼって行き、タコの顔まで近づいて。
じっと目を見た。
タコのほっぺをペロペロなめた。
ははは、くすぐったいよ。
タコは思わず墨を吐いた。
犬は、墨をぶるぶるを飛ばした。

犬は、タコで、運動して遊んだ。
タコはやさしく見つめた。

コンクリートでできた地面、壁。
空には、ぽっこり月と太陽が入れ替わりで顔を見せた。

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